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朝の口のネバネバは、口呼吸のサインかも
毎朝、目覚めた時に口の中がカラカラに乾き、ネバネバとした不快感にうんざりしていませんか。その症状、もしかしたらあなたが寝ている間に「口呼吸」をしていることが原因かもしれません。本来、人間の呼吸は鼻で行うのが正常な状態です。鼻には、吸い込んだ空気を加湿・加温し、フィルターのようにホコリや細菌を取り除くという、非常に重要な機能が備わっています。しかし、何らかの理由で口呼吸が習慣化してしまうと、この鼻の防御機能を全く使えなくなってしまいます。口呼吸をしていると、乾燥した空気が直接口の中に流れ込み、貴重な唾液をどんどん蒸発させてしまいます。唾液には、口の中の潤いを保つだけでなく、細菌の増殖を抑える「自浄作用」があります。睡眠中は、もともと唾液の分泌量が減少しますが、口呼吸によってさらに口内が乾燥すると、この自浄作用が著しく低下します。すると、口の中は細菌にとって天国のような環境となり、夜の間に爆発的に繁殖してしまうのです。朝起きた時の口のネバネバは、この大量に増殖した細菌の塊や、その死骸、そして乾燥によって剥がれ落ちた粘膜などが、わずかに残った唾液と混ざり合ってできたものです。口臭が強くなるのも、この細菌が作り出すガスが原因です。口呼吸は、口のネバつきや口臭だけでなく、様々なリスクを高めます。乾燥した喉の粘膜からウイルスが侵入しやすくなるため、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。また、歯の表面が乾燥することで、歯垢が付着しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも増大させます。歯並びの悪化や、顔つきの変化につながることも指摘されています。もし、朝起きた時に口のネバネバや喉の痛みを感じたり、唇がカサカサになっていたり、あるいは家族からいびきや歯ぎしりを指摘されたりした場合は、口呼吸を疑ってみるべきです。まずは意識的に鼻で呼吸することから始め、必要であれば、口を閉じるためのテープを試したり、耳鼻咽喉科や歯科で相談したりすることをお勧めします。