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奥歯の歯茎痛みがリンパに与える影響
奥歯の歯茎に感じる痛みは、時に首や顎の下のリンパ節の腫れを伴うことがあります。この症状は、口腔内の問題が局所的な範囲を超え、体の免疫システムにまで影響を及ぼしているサインであり、その背景には様々な原因が潜んでいます。リンパ節は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を濾過し、免疫細胞を活性化させる重要な役割を担っています。そのため、リンパ節が腫れるということは、体内のどこかで炎症や感染が起きていることの警告と捉えるべきです。奥歯の歯茎に痛みを引き起こす主な原因としては、まず「歯周病」が挙げられます。歯周病は、歯垢中の細菌によって歯茎が炎症を起こし、進行すると歯を支える骨が破壊されてしまう病気です。この慢性的な炎症が重度になると、歯周病菌がリンパ管を通じて体内に広がり、近傍のリンパ節を刺激して腫れ上がらせることがあります。次に、「親知らずの炎症」もよくある原因です。親知らずが正しく生えず、一部が歯茎に覆われた状態では、食べかすが詰まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境が作られます。これにより「智歯周囲炎」と呼ばれる炎症が起こり、強い痛みと共に顎のリンパ節が腫れることがあります。場合によっては、口を開けにくくなったり、発熱を伴うこともあります。さらに、「深い虫歯」も原因となることがあります。虫歯が進行して歯の神経にまで達し、細菌感染を起こすと、歯の根の先端に膿が溜まる「根尖病巣」を形成することがあります。この感染が周囲の組織に広がることで、リンパ節に影響を及ぼし、腫れや痛みを生じさせることがあります。稀に、口腔内の他の感染症や腫瘍が原因でリンパ節が腫れることもありますが、奥歯の歯茎の痛みと同時に起こる場合は、上記のような歯科的な問題である可能性が高いです。これらの症状を放置することは、感染の悪化や全身への影響を引き起こすリスクがあるため、早期に歯科医院を受診することが極めて重要です。歯科医師は、精密な診察とレントゲンなどの画像診断によって、痛みの原因とリンパ節の腫れとの関連性を特定します。